四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件

2017.09.24.Sun.12:42

2004年(平成16年)2月17日に日本の三重県四日市市で発生した誤認逮捕および誤認逮捕された男性が死亡した事件。

事件内容
四日市市のジャスコ四日市尾平店(現:イオン四日市尾平店)にあるATMコーナーで、子ども連れの若い女に泥棒扱いされた無実の68歳の男性が、店員や買い物客ら3人に取り押さえられ、居合わせた四日市南警察署の警官の拘束後に死亡した。

男性の死因は「高度のストレスによる高血圧性心不全と不整脈」と発表されたが、この「ストレス」は逮捕・制圧の際の精神的・肉体的苦痛によるものと推測される。
店員や買い物客が男性を制圧している隙に女は逃走しており、警察は虚偽告訴罪の被疑者として捜査を続けていたが、2011年(平成23年)2月17日午前0時に窃盗未遂事件としては公訴時効となった。
三重県警察は翌18日、被疑者死亡のまま男性を書類送検した。


三重県警察は2005年(平成18年)2月17日に現場の監視カメラに映っている画像を公開した。
容疑事実を特定できないままに画像を公開することはグリコ・森永事件以来の異例の措置である。

男性の両手は買い物袋を持ってふさがっていた。
男性がATMを操作していると、女がATMコーナーに入る。
女は突然、男性の肩にぶつかっていき、体を触るような仕草をし、男性の胸ぐらをつかんでもみ合いとなる。
女の「泥棒」と叫ぶ声の後、客3名がATMコーナーに入る。
この間、監視カメラの映像から男性は一切窃盗行為をしていないことがわかる。
男性が取り押さえられる5分ほど前から、女がATMコーナーから3~4m離れた店内から、何度かATMの方をうかがう様子が映っていた。

事実経過
店員や買い物客が取り押さえ、女が立ち去った後、別件の万引き事件の処理で居合わせた警察官2名も現場に到着し、男性を後ろ手に手錠をかけ20分間うつ伏せで押さえつけた。
この20分の間に、男性は意識を失い、嘔吐もしていたが、警察官は拘束を続けた。
通報を受け応援の警察官が事件現場に到着すると、男性は意識を失い、嘔吐した形跡があったため、男性の拘束を解き、救急車で病院に搬送する。
しかし、病院に運ばれた段階で既に男性の脳は回復不能な損傷を受けており、翌日男性は死亡した。

男性が最期まで護るように握り締めていたキャッシュカードは3つに折れ曲がり、眼鏡も片方のレンズが壊れていた(どちらも2005年(平成17年)2月27日、遺族に返却)。
男性の妻は、病院で亡き夫の姿を見て「何で!」と号泣した。
警察官のこの逮捕拘束について、四日市南警察署は「一般的な制圧行動だった」と発表している。

拘束を続けた警察官は当時29歳の警察官だった。
四日市南警察署は後に誤認逮捕を認めている。
事件を知った有志により公文書開示請求を三重県警察に行ったが棄却されている。
女と男性が奪い合いになっていた財布は死亡した男性の所有物だったことが2011年(平成23年)3月に判明。
つまり窃盗罪自体が成立していなかった。

民事訴訟
2007年(平成19年)に誤認逮捕された遺族が警察官の度を超した対応により男性が死亡したとして、三重県を相手取り、約5,700万円の損害賠償訴訟を起こした。
この訴訟に対し、三重県側は対応は適切だったとして争う姿勢を示している。
2010年(平成22年)11月18日、津地裁にて原告の訴えを一部認め、880万円の支払いを命じる判決を出した。

判決で、裁判長堀内照美は「制圧行為は必要かつ相当な限度を超え、違法」として制圧行為の違法性を認めたが、死亡との因果関係は認めなかった。
遺族側は27日、控訴。
2011年(平成23年)5月、津地方検察庁は男性の無実を認め、被疑者補償として1日分の最高額である12,500円を遺族に支払うと通知した。
2011(平成23年)9月、名古屋高等裁判所での控訴審判決で警察官の取り押さえが違法として、三重県に対し3,640万円の支払いを命じた。

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